著書のご紹介

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弊社代表社員の猪熊正美の著書から抜粋したものをお読みいただけます。

現場を知る税理士が書いた『成功する起業』

出版社: ブイツーソリューション
ISBN-10: 4434193228
ISBN-13: 978-4434193224
発売: 2014/6
¥ 864

現場を知る税理士が書いた『成功する起業』

初めの一歩

初めの一歩

創業を検討するも、最初の一歩を踏み出せないでいる方は世の中に数多くいると思われます。私も実はその一人でしたので、その気持ちはよくわかります。誰かがポンっと背中を押してくれればなぁ~なんて思っているあなた、ぜひこの一冊を読んで自分の中にあった何かに気付いたとき、追い風に乗るように飛び立つときがすぐそこにあるかもしれません。
ところで経営者になるということは、長い人生でも数少ない大きな転換期の一つということになりますが、実際に創業した方になぜ独立を決意できたのかを尋ねてみると、多くの方から、「あとで後悔はしたくなかったから」という言葉が返ってきます。つまり、後になって、創業しなかったことに対する後悔はしたくないということです。これは全くその通りで、だからこそ多くの方が創業すべきかどうかを悩むことになるのです。
一方で、思いきって創業したのち、数年後に健闘むなしく事業が立ち行かなくなり、継続を断念することになったときもまた、「あとで後悔する」のです。
しかし、同じ後悔でも失敗した人が味わう後悔は、創業したことに対する後悔ではなく、その多くはそれまでの事業の進め方に後悔をするのです。
事業の進め方は100人の経営者がいれば100通りの進め方があり、すべてはあなたの握ったハンドルさばきでいか様にもなります。
この本を通じて上手な運転が出来る経営者になれるように、そして創業したあなたが、若い後輩たちに創業の素晴らしさを伝えるためにも、惨めなことになってはならないのです。

独立するかしないの判断は

成功って何だろう

この本を手に取って読まれる方を大別すると、創業するかどうかを考えている方と、創業することは決めたうえで、成功の確率を上げたくて読んでいる方に分けることができます。
そこで、創業を決断した方へ向けたお話は第Ⅲ章からとし、ここでは創業するか悩んでいる方に焦点を絞ってお話をします。
具体的なお話に入る前に、この本のタイトルにもあります「成功」について最初に簡単に触れてみます。
そもそも「成功」とは、何をもって、どの時点で、誰が決めるのでしょうか?
私は職業柄多くの経営者と日々接していますが、このテーマについて気楽に言葉にする社長はまずいません。しかしそれは口にしないだけで、多くの経営者は自分の心の中にしまっているのです。
事業においての「成功」とは経済的な成果で用いることが多いのですが、本来はそうではなく、「成功」とは「幸せ」と読み替えるとなるほどスッキリするように感じます。
つまり、成功とは、今を自分がどれだけ懸命に生きているか、そして人のためにどれだけ役に立てているかということであり、答えが出るには人生のゴールにおいて自分が一人になったときに、初めて成功したかどうかということを振り返るものかと考えています。
さてあなたが思う成功とは何でしょうか?

決断から開業まで

行動計画は分けて考える

創業した後に、予想していたことと実際の違いを一番感じるのは売上高です。日本政策金融公庫のアンケート結果でも開業時に一番苦労したのは「販売先(受注先)の確保」という回答が圧倒的に多いことからも明らかなように、目標売上高の達成には、多くの経営者が苦戦していることがわかります。
こういった傾向の中、私がよく思うことは、開業後、事業を上手に軌道に乗せた経営者は、創業を決断したときから開業日までに行う準備と、開業後に継続して行う行動計画とを切り離して準備を進めています。
一方事業を軌道に乗せるのに時間がかかる経営者は、開業までのことばかりに頭がいき開業後の行動計画が手薄になっています。
失敗する経営者の多くは、開業後に気付かされる現実とのギャップを想定していなかったため、打ち手を見出せず何をしたらいいのかわからないままに廃業を余儀なくされるのです。
ここでのポイントは開業後の営業戦略です。今から強かな打ち手を考えたうえ、初めのうちは上手くいかないことを楽しむくらいのゆとりをイメージしておきましょう。

自分で何でもやらない

優れた技術や品質があるにもかかわらず、それを上手に発信できていないままで創業する方がいます。例えばセンスのない看板デザイン、落ち着かないお店のレイアウト、お粗末なホームページやロゴなど、消費者の目線でみると考えられなくても、不思議なことに本人はそれに気付かないことがあるのです。
こういったケースで多いのは、できるだけコストを抑えたいあるいは自分のセンスを過信して何でも自分で進めたことが原因です。
経費はできるだけ節約する一方でお客様からはしっかりとお金をもらいたいというのは虫のいい話です。様々な準備を進める中で、あなたはその大半において素人であることを忘れずに、費用が発生しても任せるところは任せるようにしましょう。

交渉力を身につける

創業を決断してから開業までには決めなければならないことが数え切れないほどあります。その中には自分だけで決められることもあれば、オフィスや店舗の賃貸借契約の条件交渉、仕入先との価格交渉、内装工事やホームページ作成などの請負契約など、相手との交渉により決めていくものも多く存在します。
こうしたやり取りの中で私が感じるのは、交渉力のない経営者は大抵が損をするということです。このことは創業時だけに限らず、数年、数十年経っても同じです。経営は様々な決断の連続です。厳しさや迫力、緻密さといったものも大切です。お人好しタイプの方は特に注意しましょう。

会計ソフトを活用する

次に、日々の売上入金や仕入れや経費の支払い、預金の引き出しなどをどのように把握し、集計するかを考えなければなりません。これらの集計により最終的に作成されるのが損益計算書や貸借対照表です。
ところで私が経営している会計事務所の仕事をご存知ですか?
企業が会計事務所を利用する場合の昔のスタンダードは、出納帳や伝票といった帳簿は企業が手書きで作成し、それを会計事務所が専用ソフトに入力して損益計算書等を作成する方法でした。今もまだそういった形態は存在しています。
しかしパソコンが普及した現代では手書きという効率の悪いムダを減らし、企業が会計ソフトに直接入力するのが主流になりつつあります。
そこでこれから創業を目指すあなたは、会計ソフトを活用する経理体制にすべきです。
何故なら日々の取引入力を会計事務所に依頼する経理体制では毎月の損益の確定が遅れがちになり、タイムリーな業績把握が出来ないからです。
また私が所属するTKC全国会という団体が公表している分析データでは、企業が会計ソフトに入力している企業のほうが、入力しないで会計事務所に任せている企業よりはるかに黒字率が高いのです。
会計ソフトを活用した経理体制の構築により、会計があなたの経営の武器になります。

融資を受けて創業する

複数の売上げ予測を行い、最悪のケースを想定する

融資を受けて創業する方の中で危険だなと思うのは、無事借りることができたことによって、事業が上手くいきそうな気になってしまうことです。本来、事業が成り立つかどうかを検討する収支計画は、融資のこととは絶対に切り離すべきです。
融資を申し込むと、審査において収支計画書を作成しますが、その際に用いる目標売上高は、最悪のケースを想定したものではなく、むしろ、毎月の借入返済を確保できる少々無理のある売上計画になりがちです。
ところが、そういった無理のある計画であっても融資が実行されると皆安心してしまい、シビアな収支計画を立てる作業が面倒になってしまうのです。
そこで必ず実践していただきたいのは複数の売上予測を立てることです。売上の立ち上がりが最も遅いケースの場合には、累計でどの位の収支不足になるのかを計算してみましょう。これは融資の申し込みの前に行いましょう。

いくら借りればいいのか

資金にゆとりがないため広告宣伝など営業的な経費を積極的に使うことができずに売上げが伸びないケースや、徐々に売上げは伸びてきていても採算が取れるまでに時間がかかるケース、いずれも資金が底をついてしまうと事業を途中で断念せざるを得ないことになります。
私は融資を受けて創業した方を数多くみてきましたが、廃業の原因はこのいずれかに当てはまることがほとんどです。
もう少しゆとりを持って借りておけば良かったと、今更言っても後のまつりです。
借りたら返さなければならないので余分には借りないほうが良いといったアドバイスをする方もいますが、売上げ予測が難しい業種では、もし借りられるのであれば、ゆとりを持って若干多めに借りておくことをお勧めします。

事業を軌道に乗せるためには

スタートダッシュ

いよいよ創業という人生の新たな1ページを刻むことになりました。周りからは1人の経営者として見られているという自覚をしっかりと持ちましょう。また、何事も最初が肝心といいますがビジネスにおいてもそれは同じです。「徐々に」「ゆっくりと」ではなく、ロケットスタートを目指しましょう。
ところであなたの事業のお客様は主に事業者ですか、それとも消費者ですか?
事業者を相手にするビジネスであれば、独立したあなたは暇な時間などありません。
では空いた時間は何をすれば良いのか?この答えは簡単です。「自分を売り込む」のです。
自分または自社の将来の魅力を買ってもらうことです。
実績もない、金もない、大きい仕事は受けられない、そんな会社に仕事を出してくれることがあるのは何故でしょう?
答えはただ一つ、あなたが気に入られるかどうかです。それが中小企業のビジネスなのです。
一方消費者を相手とするビジネスの場合は、将来の魅力はさほど売りにはなりません。
現代の消費者はわがままです。値段だけでもなく、味や品質だけでもなく、店構えから決済方法に至るまで、あらゆる点で心地よさを求めています。
そのため、開業当初からかなりの完成度が求められます。あなたの販売やサービスにおける総合力が、既存企業より勝っていればお客は来るし劣っていれば来ない。
現代のマーケティングにおいて外すことのできないマーケットインという顧客視点での発想から豪快なスタートダッシュを切りましょう。

ネットワークを拡げる

商品や製品、サービスの優位性、仕事への想いなど、自社の強みや魅力を上手に伝える練習や工夫はしていますか?初めてお会いする人を大切にしていますか?
ネットワークを拡げたいあなたが最初に専念すべきことは自分を知ってもらうことです。
そうであるにも関わらず初対面での対応に物足りなさを感じる創業者があまりに多い気がします。つまり、「もっと元気出せよ!もっと仕事欲しがれよ!もっと自分の売りを示せよ!」と思うのです。
そのため、自分を知ってもらうポイントとしては・・・
① 事業がわかり易いこと
② あなたが目立つこと、際立つこと
③ どうしたら相手の力になれるかを考え、それを言葉で伝えること
遠慮したり、照れたりしている場合ではありませんよね。
創業当初に最も重要なのは、待つのではなく自分の方から相手に売り込むことです。
立ち止まらず動き続けることです。
何もすることがないということは失業しているのと同じと思いましょう。

苦手にしてはならない3要素

創業してから気付かされることの一つに、「あなたの弱み」があります。
勤務時代は周りの方がやってくれていた様々な仕事を、創業後はあなたが全て行うことになりますが、そのときに初めて「自分の苦手なこと」や「弱み」が明らかになるのです。そこで怖いのが経営者は自由ということです。
例えば、会計の知識が乏しくても、パソコンが使えなくても、営業的会話ができなくても、こうした苦手なことを避けても咎められないのが経営者なのです。
その弱みを克服しないまま放置しておくと、あなたの弱みがそのまま自社の弱点になります。誰にも経験があると思いますが、年齢や経験を重ねてから、基本的なことを教わるのは恥ずかしいものです。早い段階で自分の弱みを克服しましょう。
特に、「IT」、「会計」、「コミュニケーション」は事業を成功させるために絶対に欠かせない3要素です。この3つは苦手というよりは「得意」といえるようになりましょう。

黒字経営にこだわる

当社では社内の壁にお客様の月次決算における黒字割合をグラフ化して毎月掲げておりますが、残念ながら黒字割合はおおむね4割程度で毎月大きな変動はありません。
一方国税庁が発表する全国の黒字企業の割合は約25%程度であり、つまりは7割から8割の企業が赤字ということになります。
それにしても何故こんなにも赤字企業が多いのでしょうか?
・赤字を出していても危機感がない・・
・損益トントンあたりがちょうど良い・・
・そもそも税金は払いたくない・・
そういった考えから脱却できないでいる経営者がいまだに少なくないからだと思います。
しかし今日の経営環境下では、昔のように景気の支えにより比較的簡単に儲かる時代ではありません。よりシビアに数字を見ていないと容易に赤字に陥ります。
創業したばかりのあなたは、黒字か赤字かというより、飯が食えるか食えないかという状況だと思います。最初はそれで良いのですが、軌道に乗ったあとは、黒字経営にこだわり、「赤字経営は経営者失格」というくらい数字を意識した経営者になりましょう。


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