社長が知っておきたい会計の知識4つのポイント

2024.02.01

コラム

社長が知っておきたい会計の知識4つのポイント

社長が知っておきたい会計の知識4つのポイント

「社長さんに知ってほしい会計の知識は4つ。いつでも気軽に相談ができる税理士がいれば安心です。」

経営の最前線で仕事をしている社長は会計を勉強する時間が取れないと思います。また、会計事務所や経理担当に任せているので、決算の内容や会計の仕組みについてよくわからないという社長もいらっしゃると思います。黒石が思う社長に知っておいていただきたい会計の知識についてお話しします。

 社長にとって必要な会計の知識についてお話を聞かせてください。最初に、税理士の黒石先生から見て、会計がわかっている社長は多い印象ですか?

社長は、営業、お金の事、人の事など毎日忙しくされているので、会計にまで目を向けることは難しいと思います。私が、まず初めてお客様とご面談させていただいたときに伺うことは、前期の決算書を見て「社長の感覚とあっていますか?」ということです。決算書を書棚に保管したまま見たことがないという社長さんもいらっしゃいます。決算書の見方が分からない方には、決算書を拝見し、見方をご説明しながらポイントをお伝えします。もし、経費や利益などのイメージが違う場合には、その原因を一緒に探しながら会計のルールについてもご説明いたします。

決算書を見返す機会がない社長は、どのように会社の状況を把握していると思いますか?

売上と経費はExcelなどで独自に管理なさっていることもあります。ですが、一番わかりやすいのは、通帳残高ではないでしょうか。売上と原価を引いた金額は把握しているものの、その他の毎月固定的にかかる経費まで把握されていない方もいます。特に、複数の金融機関から借入をしている場合は、損益だけでなく返済日を考慮した資金繰りも見ておく必要があると思います。

税理士を変えたいと思われたきっかけでよく聞く理由はありますか?

会社によって事情は異なると思いますが、よくあるのが、「相談がしにくい」という話です。今さらこんなことを聞いてもいいのかなと思ったり、会計事務所とじっくり話す機会がないというお話も伺います。また、先代から長い付き合いの税理士さんは、2代目や3代目の社長さんからすれば、かなり年上になると思います。そのため、同年代の税理士を希望されることもあります。わからないことを、何度も質問ができる関係を望んでいる方が多いようです。

他の理由は、あまり打合せの時間を設けてくれないということですね。決算前の打合せや税制改正、資金相談など、いつか聞こうと思っていたことがなかなか聞ける機会が設けられずそのままになってしまうことがあるようです。

税理士を変えたいと考える会社の決算書はどうなっていますか?

あくまで傾向ですが、税理士とのコミュニケーションが不足している会社さんは、社長が決算の内容を確認する時間もなく赤字決算で申告されてしまっていることもあるようです。赤字の場合はその原因を解明し手当していく必要があると思います。

中小企業の多くが赤字決算になっている理由をどう考えますか?

赤字を継続すると会社は倒産してしまいます。それでも会社が継続しているということは、今までの利益を取り崩しているか、社長が会社にお金を貸し付けているかだと思います。 社長さんや税理士さんによっては、税金が少ないのがいい決算であると考えている方もいるようです。しかし、節税にばかり意識が向いてしまうと、お金の使い方を間違ってしまうこともあります。

ライトハウスは黒字化を推奨しています。理由を教えてください。

会社が継続するためには利益が必要です。利益は単なる貯蓄ではなく、将来の従業員さんの退職金、設備の買替資金、アクシデントに備えるための資金になります。逆に赤字は、お金がなくなっていくことになります。赤字でも会社が存続しているのは、金融機関からの借入か、社長がお金を会社に貸し付けているからだと思います。借入はいつか返さないといけないものであり、赤字補填のために借りたお金は将来黒字になって返済する必要があります。そのためライトハウスでは、健全な黒字化を推奨しています。

黒石先生は、具体的に、どうアドバイスをしますか?

経費や人件費などの金額をお伝えして、社長の経営イメージをお聞きします。現状を把握できたところで、「社長さんはどうしていきたいですか?」とお聞きします。ゴールを共有してからサポートをします。ぼんやりとした目標よりも具体的な数字で目標を共有させていただきます。

経理担当とお話をすることもありますか?

もちろんです。経理担当の方は実務の会計入力をしていただいていますので、毎月確認に伺っています。経理を1名で行っている会社さんが多いため、経理担当者さんの疑問点をできるだけ早く解消し不安にさせないことも会計事務所の役割だと思います。

ちなみに、担当者を含め、社内に決算書がわかる人は少ないということですか?

決算書を見る機会も少ないと思うので、熟知されている方は少ないと思います。でも、損益計算書の見方がわかれば、経営上で大きな問題はないと思います。しかし、長く安定的な経営をしていくためには、不動産や保険の積立、内部留保、逆に長期の借入金など、資産と負債を把握しておくほうがいいですね。貸借対照表はぱっと見ただけでは分かりにくいので、税理士に質問をしていただければいいと思います。これからは、会社をサポートする税理士の役割が重要になると思います。

どのような役割でしょうか?

会社の状態を常に把握しておくパートナーとしての役割です。新型コロナウイルス感染や原油高によるコストアップは事前に予測できるものではないかもしれません。だからこそ、非常事態に備えるということです。利益を出し続けて資金力のある会社にしておく必要があると思います。これまでは赤字でも借入で過ごすことができたかもしれません。非常事態では、緊急の融資が受けやすくなることもあります。しかし、返済がスタートした時に、強い経営基盤がないと、会社はさらに厳しい状態になってしまいます。ですから、月次業績を確認する税理士の役割が大事になると思います。

 決算前にしか来ない税理士もいるとお聞きします。

決算書及び申告書を作るもの税理士の仕事です。ですが、決算の直前だと決算対策のために投資しようにも、急な判断が必要になってしまいます。いずれにしても、直前だと手を打ちにくいことが増えると思います。

税理士にまめに会っていないとどうなるでしょうか?

客観的な視点がないまま、社長さんが経営判断をしなければならなくなります。万が一、会社が厳しい状態に直面したら、いつまでに回復できないとまずいということがわかっていることが重要です。取り返しのつかない状況になってから「そうなる前に教えて欲しかった」と言われることは税理士の役割を担えていないということだと思います。

ライトハウスは具体的にどんなサポートをしているのですか?

月次の試算表と利益管理表を作成して、毎月、社長さんと経理担当者さんを交えてミーティングを行なっています。利益管理表は試算表の要点をまとめたもので、A4ペラ1枚ですから、会計に詳しくなくても、月次業績を理解していただくことができます。前年との比較や計画値との差異もわかりますので、会社の状態を共有できます。借入などの返済がある場合は、利益と合わせて現金及び預金がいくらあるかを共有します。

売上と入金のタイミングが違うところは?

売上と入金のタイミングが違うと、通帳残高が月によって変動しますね。しかし、毎月の会計をきちんと入力しておくことで、先の見通しを立てることができます。難しいとしたら、飲食店でしょうか。売上は現金とカードになり、材料の仕入れなどは多岐になるので、毎月の管理をきちんとしていないと、思ったほどお金が残っていないということになりかねません。

結局のところ、社長は会計について、どの程度の知識を持てばいいですか?

そんなに細かく知っておいていただかなくてもいいと思います。まずは、利益の計算方法を知っていただければ良いと思います。毎月の利益が貸借対照表につながって資産が増えたり、負債が減ったりしていることが分かると、なお決算書が面白くなってくると思います。ただ、決算書を見る時間がとりにくい場合は税理士に聞いていただければと思います。

社長さんに知っていただきたい会計の知識は、

1:利益の計算方法

材料や人件費、その他の経費を把握して、黒字になるためには売上がいくら必要なのかということを意識していただきたいです。売上が増えるためには原価も必要です。売上=利益ではないということを理解していただきたいです。

2:借入の月々の返済額

特に複数の金融機関から借り入れがある場合は、月々の返済額と返済年数は把握していただきたいです。

3:資金の残高

こちらは通帳を見ればわかりますね。

4:税金の原資

決算をすれば納税が発生しますので、納税資金は確保しておくことが重要です。

消費税は赤字でも払わなければならない税金なので、意識しておく必要があります。

結論から言えば、社長さんが会計に詳しいことに越したことはありませんが、いつでも相談ができる税理士がいれば、慌てて勉強をする必要はないと思います。毎月の報告と毎年の決算報告をきちんとやっていくと、自然に理解できると思います。

最後に社長さんとどんな関係を構築したいとお考えですか?

まずは相談しやすい税理士でいたいと思います。好調な業績の場合は、決算の着地を見据えて、「何か買いたいものはありますか?」と質問をしたり、厳しい時は、「いつまでに売上を回復させましょう」と背中を押すこともあると思います。

社長さんが目指す会社になっていくためのサポートをさせていただきたいと思っています。

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